事故物件の値下がり率は?通常物件との比較と相場

事件や事故などの理由で、不幸なことに、死者が出るなどの履歴がある物件のことを事故物件と呼びます。事故物件は、心理的に避けられることが多く、売却や賃貸契約につながりにくいのですが、実際に通常物件と比較した場合、どの程度の値下がり率になるのでしょうか。相場とあわせてチェックしていきます。

事故物件の定義

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事故物件は、その室内や敷地内において、自殺、他殺、孤独死など、事件性の有無を問わず、人が亡くなった履歴のある物件のことです。不動産業界では非常によく使われる言葉ですが、実は法的に定義されているわけではないため、業者によってその解釈が異なることがあります。特に、人が亡くなった場合でも、自然死の場合は事故物件に含めない業者も多いようです。
また、事故物件には、必ずしも人の死が関係しているわけではありません。たとえば、物件の近くに暴力団の事務所、風俗店、新興宗教団体の施設など、物件を購入しようと考える方の心理に、抵抗感のようなものを覚えさせる要素がある場合「心理的瑕疵」と呼びますが、このような条件にある物件も事故物件に含まれる場合があります。
事故物件の定義には曖昧な部分が多いものの、この心理的瑕疵が判断のよりどころであるといえるでしょう。

瑕疵の種類と定義

 ● 心理的瑕疵
物件そのものには問題はなくても、入居を避けたくなる、なんらかの要素が存在すること

 ● 物理的瑕疵
物件そのものに、たとえば雨漏りなどの物理的な不具合があること

 ● 法律的瑕疵
容積率などが、法律に違反していること

 ● 環境的瑕疵
近隣に問題を引き起こす可能性のある施設が存在すること

このように、大きく4種類の瑕疵がありますが、たとえば心理的瑕疵と、環境的瑕疵は、目に見える見えないの違いはありますが、どちらも心理に影響する、という点でひじょうに近いものだといえます。

事故物件は相場よりも値下がり率が大きい

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事故物件は、ご紹介したように、人々の心理に影響する履歴や要素があるため、似たようなクラスの通常物件と比較した場合、価格は下がります。しかし、事故物件といえども、通常物件と同じように立地、設備などの要素が考慮され価格が付けられます。条件が良く、購入を考える人にとって心理的に受け入れられる状況であれば、通常物件とそれほど変わらない価格で売却できる場合もあります。事故物件の価格を決める要素として大きな比重を占めるのが、「購入を考える人の心理」であることを考えると、それはもはや物件オーナーさんがコントロールできるものではありませんが、通常物件との価格差の目安は当然あります。
通常物件からの値下がり率は、「事故」の内容により、その目安があります。殺人事件など、刑事事件がらみの物件の場合、通常物件から30%~50%の値下がり率になります。自殺の場合は20%から30%の値下がり率である場合が多く、これらよりも事故の程度が軽いと考えられる場合は10%程度の値下げ率になることが多いようです。
以上が目安ではありますが、実際に売却を考えて事故物件に値段を付ける場合、実勢価格よりも、多くても30%程度までの割引で抑えるのが無難です。最初から大きな値引きをしてしまうと、「よほど大きな事故や事件があったのでは?」という印象を与えることにもつながります。もちろん、事故物件売却にあたり、事故の情報を開示する義務はありますが、買い手に余計な印象を与えない「戦略」をとることが求められます。

事故物件は事件直後が底値

殺人事件や自殺などの事故の記憶は、時間の流れと共に風化していきます。近所の人々の記憶から完全に忘れ去られるわけではないとしても、事件直後と比べるとそのインパクトは薄れることは間違いありません。これを考慮すると、事故物件を売却するアイデアとして、「事故から数年経過してから売る」という考え方もあります。
事故物件を売却する際は、宅地建物取引業法により、事故の内容を告知しなければならないと定められていますが、その事故からの経過期間については特に定めがありません。告知義務違反に関する裁判は数多く行われていますが、判例から考える限り、事故から10年程度は心理的瑕疵が認められる傾向にあるようです。ただ、「事故から10年以上経過すれば告知しなくてもいいのか」ということになると、話はそうかんたんにはいきません。ある裁判では、事故から50年以上が経過した不動産に対し、心理的瑕疵が認められたケースもあります。ただ、このケースは、近隣住民の記憶に長く刻まれるほどの猟奇殺人事件が「事故」であり、値下げの程度は、長い時間が経過するほどに少なくなっていくと考えていいでしょう。

不動産の売却金額について

事故物件も通常物件も、需要が多ければ多いほど値が上がり、需要が少なければ少ないほど値下がりします。このような不動産の性質を考えれば、事故物件が通常物件よりも安くなってしまうのは当たり前のことです。事故物件は現在、買取専門店が増えているため、以前と比べると売却しやすくなっているといえます。しかし、基本的にニーズは少なく、希望する売却価格に満たないケースがほとんどです。事故物件であっても、ローンが残っているので少しでも希望の価格に近づけて売りたい、価格交渉したい、という場合は、事故物件買取の専門業者に依頼するのが得策です。

事故物件を少しでも高く買い取ってもらう方法

事故物件を少しでも高く買い取ってもらうためには、できることをすべてやりましょう。ここでは2つの方法をご紹介します。

・特殊清掃

殺人事件の現場となってしまった物件や、孤独死でご遺体が腐乱した状態で見つかった物件の場合、その痕跡をなんとかして消すことで、少しでも物件の印象を良くしましょう。この際に頼りになるのがハウスクリーニング業者です。ハウスクリーニング業者の中には、事故物件の清掃を多く手がけている業者も少なくありません。死後、発見までに長い時間が経過したご遺体の場合、腐乱がひどい場合が多く、床などに汚れや臭いが染みついてしまうことがあります。このような状態になると、普通のハウスクリーニングでは取り除くことができないため、特殊清掃を依頼します。特殊清掃は、業者により作業価格に幅がありますので、インターネットでいくつかの業者を比較し、実際に話をしてみてから作業をオーダーするといいでしょう。

・リフォーム

事故物件自体をリフォームしてしまうことも、物件の印象を少しでも良くすることに役立ちます。ハウスクリーニングや特殊清掃を入れても、どうしても事故の痕跡が取り除けないこともあります。このような場合はリフォームを考えてもいいでしょう。

事故物件買取専門業者とは

近年、事故物件の買取を専門に行う業者が増えています。事故物件は買い手のつきにくい物件であることは確かですが、このような業者が増えることにより、売却しやすくなったことも確かです。これまでは、不動産業者に販売を依頼する「仲介販売」の形式が主流でしたが、買取専門業者では仲介ではなく、その名称どおり、事故物件を「買取」します。そのため、

 ● スムーズに現金化
 ● 精神的苦痛からの解放

という、事故物件のオーナーにとって非常に大きなメリットを得ることができます。もちろん、業者は慎重に選ばなければなりませんが、不動産取引の現状を考えると、こうした業者を利用しない手はありません。